オスカー受賞監督のダニエル・ローヘルによる最新ドキュメンタリー《The AI Doc》は、サム・アルトマンやダリオ・アモデイなどAI分野の重鎮40人以上へのインタビューを通じて、人類がAIの終末に向かっているのかを探る内容です。 (前提:AIは意識を持ったのか?人工知能学教授の解説:天網は映画のフィクションではない、AIによる仕事奪取のリスクとチャンス、AGIの迷い) (補足:AIの繁栄が経済の凶兆に?Citrini Researchが2028年の「世界知能危機」の大爆発を警告)
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ダニエル・ローヘル監督とチャーリー・タイレルが共同監督を務める新作ドキュメンタリー《The AI Doc: Or How I Became an Apocaloptimist》(仮訳:AIドキュメンタリー:私が終末楽観主義者になった理由)は、2024年3月27日にアメリカの劇場公開予定です。ユニバーサル・ピクチャーズ傘下のFocus Featuresが配給します。本作は今年1月に日舞映画祭でプレミア上映され、IMDb評価は8.2です。
このドキュメンタリーの最大の特徴は、出演者の規模と内容の充実度にあります。制作チームはAI分野のキーパーソン40人以上にインタビューを行い、合計3,300ページに及ぶ書き起こしを作成しました。インタビュー対象は以下の通りです。
特に、サム・アルトマンとトリスタン・ハリスはAIの未来展望について対照的な見解を示しています。前者はAI発展の推進者、後者は長期的に技術が人類社会に侵食をもたらすと警告しています。
本作の制作陣も豪華です。『マルチユニバース』の監督関家永とプロデューサーのジョナサン・ワン、さらに『ナワニ』のシェーン・ボリスとダイアン・ベッカーが共同監修しています。
ローヘル監督は、「もうすぐ父親になる」視点を通じて作品全体を貫き、新生児を迎える中で問いかけます。この子が継ぐ世界は、AIによって良くなるのか、それとも悪化するのか。
ローヘルは本作で「アポカルオプティミスト(終末楽観主義者)」という造語を作り出しました。これは、AIが破滅的な結果をもたらす可能性を認めつつも、その光明を受け入れる態度を指します。作品は、楽観と悲観の両極端の間にバランスを見出そうとしています。盲目的な楽観でもなく、麻痺した悲観でもない、第三の道です。
ただし、批評家からは賛否両論です。肯定的な意見は、編集技術の巧みさや手描き風のイラストスタイル、ローヘルの個人的な視点に感動を呼ぶと評価しています。一方、批判的な意見は、「公平な提示」の名の下に、真の立場や深い問いかけが欠如しており、インタビューの内容を鵜呑みにしているため、結論が曖昧で力不足だと指摘しています。