67Kドルの元本から113万ドルへ:PolymarketのマーケットメイキングBotの3,379件の取引を解剖

動區BlockTempo

Polymarketには、ある種類のアドレスが存在します。方向性に賭けず、追従もせず、毎分34回の注文を出し続け、24時間365日休まず取引を行っています。累積利益は113万ドルを超えています。

私はそのピーク時の100分間に行われた3,379件の取引を分析し、プロのマーケットメイカーBotの運作メカニズムと利益ロジックを解明しました。この記事はLeoによるオリジナルの文章を、Foresight Newsが整理・翻訳・執筆したものです。

(前置き:WBC韓国・オーストラリア戦のPolymarketオープン:韓国の勝率73%、ゲーム理論の二つのシナリオで台湾はマイアミ進出)

(補足:ウォール・ストリート・ジャーナル:PolymarketとKalshiが200億ドルの評価額を目指し激突!予測市場の二大企業が新たな資金調達ラウンドを熱く語る)

目次

Toggle

  • Botの基本構造
  • 取引頻度:注文を出すのではなく、「壁を刷る」
  • 参入時間:双峰分布がマーケットメイキングのロジックを暴露
  • 利益を出す通貨と損失を出す通貨
  • マーケットメイキングは無リスクではない
  • 純粋なマーケットメイキングではない:方向性シグナルの発見
  • マーケットメイキングの仕組み:なぜ100%がBUYなのか
  • 今後:Botは既に停止
  • まとめ

Polymarketには、方向性に賭けず、追従もしないアドレスが存在します。毎分34回の注文を出し続け、24時間365日休まず取引しています。累計利益は113万ドルを超えています。

私はそのピーク時の100分間に行われた3,379件の取引を分析し、プロのマーケットメイカーBotが一体何をしているのか、どうやって稼ぎ、どうやって損失を出しているのかを解明しました。あなたもこのBotのホームページを直接見ながら、読み比べてください。

Botの基本構造

このアドレス(0x1979…7c9d)は、ピーク時に同時に100のポジションを維持しており、BTC、ETH、SOL、XRPの4通貨をカバーしています。時間枠は5分から4時間までの範囲です。

総投入資金は約67,000ドルです。

最も重要な特徴は、注文の100%がBUYで、SELLは0%だという点です。

ちょっと待って、買いだけでどうやって利益を出すのか?後で説明します。

取引頻度:注文を出すのではなく、「壁を刷る」

100分間に3,379件の取引があり、平均すると毎分34件です。

取引頻度のヒートマップ

いくつか直感的にわかること:

  • ETHの1時間足が圧倒的に主力(737件)で、最も多く取引を占める
  • BTCの15分足が次点(595件)、高頻度でメンテナンス
  • XRPの5分足は全く取引がない(0件)、流動性に応じて放棄していることを示す
  • 同じ10秒のウィンドウ内で、複数の時間枠で同時に取引が行われていることも頻繁に見られる

これは「信号を見て注文を出す」トレーダーの行動ではなく、常時注文簿を維持し続けるマーケットメイキングの行動です。

参入時間:双峰分布がマーケットメイキングのロジックを暴露

もしこれがシグナルに基づくトレーダーの行動なら、参入時間はランダムなはずです。しかし、このBotの1時間の市場参入時間分布は次のようになっています。

1時間の参入時間の双峰分布図

二つの明確なピークがあります:

  • 開始0-10%:11.6%(キューの優先順位を奪い、注文簿の前に並ぶため)
  • 終了90-100%:15.6%(キャンドルの決済前に注文を更新)

中間の時間帯は7-8.5%の範囲で均一に分布しています。

4時間の市場ではさらに極端で、36%の取引が開始前の10%以内に集中しています。

マーケットメイカーの最も重要な競争力は、「予測の正確さ」ではなく、「先に並ぶこと」です。

利益を出す通貨と損失を出す通貨

すべての通貨が利益を出すわけではありません。

各通貨のマーケットメイキングの損益表

BTCは最も危険な通貨です。1時間足のキャンドルで約1,988ドルの損失を出すこともあります。これはポジションサイズが大きすぎる(20,138シェア)ためで、BTCの激しい変動時には逆選択(adverse selection)により利益が吹き飛びます。

時間枠による差も顕著です。

各時間枠のマーケットメイキングのパフォーマンス

4時間足は最も高い利益率を誇り、100%の利益を出しています。ただし、取引頻度はわずか5.7%です。マーケットメイキングのジレンマはここにあります。頻度を上げるほど競争が激化し、頻度を下げると取引量が減るという矛盾です。

マーケットメイキングは無リスクではない

多くの人は、マーケットメイキングは「安定して儲かる」と思いがちですが、実際はそうではありません。

PnLの回復過程

2月21日の夜、BTCの1時間足で大きな変動があり、Botの総合PnLは一時正から負に転じて960ドルの損失を出しました。

しかし翌朝には、PnLは正に戻り947ドルの利益になっています。

これがマーケットメイキングの「自己回復能力」です。価格差の構造が永久に破壊されなければ、その後のキャンドルの正常な価格差から得られる利益が、前の大きな損失を徐々に埋めていきます。

ただし前提は――そのドローダウンに耐えられることです。

純粋なマーケットメイキングではない:方向性シグナルの発見

詳細なデータ分析から面白い事実が判明しました。Botは純粋な両建てのマーケットメイキングだけではなく、リアルタイムでBinanceの価格を追跡し、Up/Downの買い比率を調整しています。

私は毎分、BotのUp/Downの買い量とBinanceの価格変動を比較し、いくつかの仮説を排除しました。

シグナルの出所の検証

Botは微視的な価格シグナル(Binanceのリアルタイム価格とキャンドルの始値)を用いており、トレンド追従ではありません。検証結果は以下の通り:

  • 方向性の一致率:74%
  • 方向性の正確性:77%
  • 高値買い側の比率:100%(常に勝ちそうな側を多めに買う)
  • 逆方向の1時間のモメンタム:71%、ただし15分足では74%

これは、純粋なマーケットメイキングに加えて、方向性判断も行っていることを意味します。「高値買い」は逆選択の結果ではなく、積極的な選択です。

また、これがBTCの大きな変動時により多く損失を出す理由も説明できます。方向性判断を誤り、偏りを大きくしてしまうと、一方に偏ったエクスポージャーが生まれるからです。

マーケットメイキングの仕組み:なぜ100%がBUYなのか

両建てマーケットメイキングの仕組み図

Polymarketの各市場には、UP(YES)とDOWN(NO)の2つのトークンがあります。マーケットメイカーは両側を同時に買います。

  • UPを0.48ドルで買う + DOWNを0.48ドルで買う = コストは0.96ドル
  • どちらが勝っても、勝った側に1.00ドル支払う
  • 1ペアあたりの利益は:1.00ドル – 0.96ドル = 0.04ドル

つまり、取引記録は100%がBUYになっています。なぜなら、両側を買っているからです。中間の4セントのスプレッドで利益を得ているわけです。

さらに三つのメリットがあります:

  • Makerは手数料0%、Takerは1.5〜2%を支払う
  • Makerリベート:取引量に応じてキャッシュバック(このBotの最後のリベートは145ドル)
  • キュー優先権:高頻度注文で注文簿の前に並び、約定率が高まる

今後:Botは既に停止

2026年3月6日現在、このBotは運用を停止しています。

Botの稼働期間と現在の比較

最後の操作は大量のREDEEM(130件)で、一括決済・退出です。

しかし、全履歴のPnL(リーダーボードのデータ)を見ると、累計利益は113万ドルを超えています。

投入資金は67,000ドルでしたが、最終的に110万ドル以上の利益を得たことになります。これがマーケットメイキングの複利効果です。大きな利益を一度出すのではなく、毎分34回、1回あたり数セントの利益を積み重ねていった結果です。

なぜ停止したのかについては、戦略の調整やアドレスの変更、あるいはPolymarket側の規則変更(遅延ルールの撤廃により半数のBotが一夜にして消滅)などが考えられます。ブロックチェーン上のデータからは行動は見えますが、意思決定の内容まではわかりません。

まとめ

  1. マーケットメイキングは方向性に賭けるのではなく、スプレッドを稼ぐ行為です。100%BUYは、両側を買うためです。
  2. すべての通貨が利益を出すわけではありません。ETHとSOLは利益を出し、BTCは損失を出します。銘柄選択が最も重要なスキルです。
  3. マーケットメイキングは無リスクではありません。1時間足のBTCキャンドルで2,000ドルの損失もあり得ますが、自己回復能力も持ち合わせています。
  4. 取引頻度は競争力の源です。キュー優先権により高頻度注文が有利になり、高頻度はインフラであり戦略ではありません。
  5. 純粋なマーケットメイキングには上限があり、そこに方向性シグナル(例:Binanceのリアルタイム価格)を重ねることでROIを向上させられますが、その分、方向性誤判断時の損失も拡大します。

データの基礎:3,379件の取引/100分間サンプル+Positions APIのポジションスナップショット(2026年2月21日)+最新APIデータ(2026年3月6日)

原文表示
免責事項:このページの情報は第三者から提供される場合があり、Gateの見解または意見を代表するものではありません。このページに表示される内容は参考情報のみであり、いかなる金融、投資、または法律上の助言を構成するものではありません。Gateは情報の正確性または完全性を保証せず、当該情報の利用に起因するいかなる損失についても責任を負いません。仮想資産への投資は高いリスクを伴い、大きな価格変動の影響を受けます。投資元本の全額を失う可能性があります。関連するリスクを十分に理解したうえで、ご自身の財務状況およびリスク許容度に基づき慎重に判断してください。詳細は免責事項をご参照ください。
コメント
0/400
コメントなし