好巧不巧、私の取引履歴の中で最低谷に落ちたのは少なくとも3回あります。

最初は2017年初頭、牛市が始まったばかりのある日、BTCが再び1000ドルを突破した時、一日でこれまでの数年間の利益を失い、しかも当時誇っていた「2014年の熊市でも超売れ反発を狙って10倍稼いだ、俺は天才だろう」の部分も失いました。
2回目は2018年11月18日前後、短期反発を賭けたポジションが、結局持ち続けることになった時。
3回目は2020年3月12日、大部分の取引所内ポジションが低位で強制清算された時です。
この3回すべてにおいて、大きな全体損失＋途中の利益が<20%未満でした。

低谷期の対策を共有しようと思い、
私の個人的な体験を交えて、
「一人が谷底に落ちてもどうやって生き延び、そこから再び立ち上がるか」
の方法についてお話しします。

必ずしも全ての人に当てはまるわけではありませんが、何かのヒントになれば幸いです。

1.
経済やお金儲けと関係の薄い趣味や興味を見つけて育てる。

もし私たちが話している「谷底に落ちる」ことが経済や稼ぎの側面でのことだとしたら、
早めに経済的要求が高くない趣味や嗜好を育てておくと、
極端なリスクに陥った時の「安全網」となり得る可能性が高まります。

もし一人の全ての趣味や生存意志が、
多額のお金に完全依存しているなら、
どんな経済の底谷も、その人のあらゆる線引きを突き破り、
万劫に陥るリスクが高くなります。

こうした趣味は、雅俗問わず、
文化・娯楽・スポーツ・技術・生活自然系など…、
長期的に掘り下げて楽しみや精神的な満足を得られる、
ちょっとした幸せを感じられる趣味であれば何でも良いです。

『仙逆』の中で王林は、すべての修行を捨てて凡人になり、世に入ることで再起しますが、
すぐに修行を再開するのではなく、木を刻む…というような例もあります。

私の場合は、幼い頃からコンピュータゲームや映画を愛してきたため、
最低谷の時に心の中でこう言ったことを覚えています：
「たとえ将来貧乏になったとしても、
この世界には次々と新しいゲームや映画、テレビが生まれ続けている。
健康で生きていられる限り、それらから精神的な豊かさを得ることはできるし、
お金もそんなにかからない」
この「最低線に満足する」考え方は、
谷底にいた時の極端な感情や心のバランスを保つのに大きく役立ちました。

もう一つは、谷底が深くなるほど精神的に癒やす必要性が高まります。
その時に、経済的要求の低い趣味は、
あなたの心の傷を癒し、気を散らす最高の方法です。

1.1
同じ趣味は、ピーク時に「魔に走る」のを防ぐこともできます。

牛市の高揚を経験し、
「資産のピーク→谷底への落下」という循環を経てこそ、
こうした体験が得られます。
ピーク時の自分は、「魔に入った」状態になっており、
数字の大小や贅沢な願望リストに夢中になり、
「何が本当に必要なのか」を見失います。

日頃から低コストで精神的に豊かになれる趣味を育てておくと、
自分にこう言い聞かせることができます：
「満足は、その金額を必要としない」

こうした趣味がないと、
どんどん大きくなる数字に引きずられ、
「無限に大きくなる数字だけに夢中になる」状態になりやすいです。
例えるなら、ちょっと適切ではありませんが、
同じくリスクを取る欲深な役人も、
小さな趣味を持つ役人は、
何万とかの贅沢は止めておこうと思えるかもしれません。
（人生には多くの小さな幸せやちょっとした喜びがあり、
より危険な高収益よりも価値があります）
一方、趣味もなく、ただ大きな数字だけを追い求める役人は、
おそらく唯一の趣味は「数字の増大」だけでしょう。

「どうしても必要ではないお金」を追いかけすぎて、
「本当に必要な資金」を失うことほど後悔することはありません。

もう一つ、私が共感する言葉があります：
「生きるために必要な以上のお金は、
自分の趣味や嗜好に変換される前はただの数字に過ぎない」
早めにこうした趣味を育てておくことは、
お金がない時の精神的安全網であり、
お金がある時には「お金の使い方を理解し、賢く使う」ための指針です。

2.
谷底に落ちた時、もしこのゲームから離れないなら、
「この試練をスキップしない」ほうが良い。

例えば、初期資金10が高揚時に100になり、
利益確定もせず、最終的に5に落ちた場合。
この時に続けるなら、一般的に考えられる選択肢は二つ：
A その5を使って続ける、または最大でも最初の10に戻す
B 100の規模を経験しているため、5から続けるのは遅い/満足できないと感じて、
短期間で大きく入金して続ける。

私が最も幸福に思うのは、谷底の時に常にAを選んだことです。

資金の損益が長期的にどうなるかは、
実は自分の「実力の評価」に直結しています。

10が100になり、そこから30を利益確定して70にし、また5に戻った場合、
一応自分の「操縦できる範囲」は「35」レベルだと考えられます。
なぜなら、客観的に見ると、
30を持ち出し、手元に5を残している状態だからです。
これは一瞬の100ではなく、現実の実力を示しています。

逆に、10が100になり、その後また5に戻り、利益も確定しなかった場合、
これは自分の実力は「5を操縦できる」レベルだと見なすべきです。

これがいわゆる「平均回帰」の一例です：
時間が長くなるほど、数字はより正確に公正な価値を反映します。

10が100になり、また5に戻っても、利益確定がなかった場合、
これは自分のシステムに大きな問題や欠陥があることを示しています。
もしこの瞬間に大量に資金を入れたり、借金して入金したりすると、
「この試練を犠牲的に飛び越える」行為に等しく、
自己の脆弱性や問題点を修復し、内面を強くする機会を逃すことになります。
そして、これは自分の状態を映し出すものであり、
自分の問題に対する恐怖や畏敬、尊重が欠如している証です。
次やその次の「試練」がまたやってくるでしょう。

ゲームに例えると、誰かに高段位のアカウントをもらったとしても、
それは自分で段位を維持しているアカウントではありません。
このアカウントでプレイすれば、
「平均回帰」によって、あなたの実力に見合った段位に戻ります。

自分自身が低段位からどれだけ上げて守りきったか、
それが運用のスキルと資金規模の増減を反映し、
相互に証明し合います。
そして、今もCrypto市場で遊び続けているのは、
この市場では、
下向きの「平均回帰」のスピードも非常に速いからです。
一方、上向きの「平均回帰」のチャンスと速度は、
想像以上に多く、速いのです。