日本株式投資は今が正念場:40,000ポイントの背後にある機会とリスク【2025年日本株選びのガイド】

日本株式市場はなぜ強く反発しているのか?この相場はどこまで続くのか?

2025年は日本株式市場にとって特別な年となる運命だ。4月の急速な調整を経て、5月・6月には力強い修復相場が訪れた。6月末時点で、日経平均株価は40487ポイントに達し、約1年ぶりの高値をつけた。これは40000ポイントの大台まであと一歩のところだ。

この反発の論理は空虚なものではない。昨年4月、米国の関税政策が突如高まり、世界の株式市場はパニックに陥った。日経平均のPERは一時12倍まで誤って売られ、国際的な主流市場水準を大きく下回った。市場の感情が次第に理性的になり、投資家は日本企業の実態価値を再評価し始め、PERは再び13倍前後に回復した。この評価修復が今回の反発の重要な原動力となっている

技術的な反発に加え、より深い推進力は以下の複数の要因から生まれている。第一に、海外資金が「米国株売却」の大波の中で、グローバル資産の再配置を進めており、日本株は割安な評価から資金の新たなターゲットとなっている。第二に、東京証券取引所が推進する企業ガバナンス改革の初期成果が出ており、上場企業の間で株主還元や配当増加、自己株式取得の意識が高まっている。第三に、世界的なテクノロジー産業チェーンの回復により、日本の半導体や精密機器株のパフォーマンスが向上している。

しかし、この反発は持続するのか?その鍵は三つの変数にかかっている。 日本銀行の金融政策の動向、グローバル投資家のリスク志向の変化、そして米日経貿関係の実質的な進展だ。

注目すべきは、株の神様と呼ばれるウォーレン・バフェットが2019年から日本の五大商社(三菱商事、三井物産、伊藤忠商事、住友商事、丸紅)への投資を開始し、今年6月にはさらに増持したことだ。バフェットは、これら商社の株式について「50年売ることはない」と明言しており、長期的な信頼を示している。

日本株おすすめリスト

日本株おすすめ1:キーエンス(Keyence)—— 工業自動化の隠れたチャンピオン

キーエンスは、ソニーや任天堂ほど有名ではないかもしれないが、工業自動化分野では「隠れたチャンピオン」として公認されている。1974年に設立され、大阪のこの企業は「設計志向」の理念を堅持し、高付加価値の自動化センサー、ビジョンシステム、レーザーマーキング装置、工業計測器の研究開発に注力している。製造工程には関わらないが、世界の直販ネットワークを通じて、46か国・地域に製品を販売している。

キーエンスの製品は、三つの主要分野にわたる:工業自動化(センサー、バーコードリーダー)、精密測定(デジタル顕微鏡、測定器)、工程制御(レーザー加工装置)。半導体、自動車、バイオ医薬品などの高度製造業に広く浸透し、青色のロゴはスマート工場の標準となっている。

財務面では、キーエンスは堅実に成長を続けている。2024年度の売上高は1兆5900億円、営業利益は5497.8億円、純利益は3986.6億円に達した。ウォール街のアナリストの12か月目標株価の平均予想は74,282.41円で、最高は80,075.16円に達している。現在の株価56,800円と比較して、潜在的な上昇余地は約30%にのぼる

日本株おすすめ2:東京エレクトロン(Tokyo Electron)—— 半導体製造産業の要

世界の半導体装置の重要サプライヤーとして、東京エレクトロンの時価総額は12.6兆円を突破している。この東京のリーディング企業は、ウェーハ洗浄装置やコーティング装置などの重要設備をサムスン、TSMC、インテルなどの大手に供給している。半導体材料の電子・防衛分野での戦略的重要性が高まる中、関連設備の需要も増加している。

2024年度の業績は好調で、連結売上高は2.43兆円、前年比32.8%増。海外売上は36.2%増の2.24兆円で、全体の92.2%を占める。国内市場はやや伸び悩み(2.7%増)ながらも、1899.8億円の売上を確保。

コスト管理能力も高く、販売費用の増加(28.5%増)にもかかわらず、粗利益は38.1%増の1.15兆円、粗利益率は1.7ポイント上昇し47.1%に。営業利益は52.8%増の6973.2億円、営業利益率は28.7%。税引き後純利益は49.5%増の5441.3億円となり、一株当たり利益は783.8円から1182.4円に大きく跳ね上がった。

ジェフリーズなどのアナリストは「買い推奨」を維持し、目標株価は32,000円と市場の成長期待を反映している。

日本株おすすめ3:三菱重工業(Mitsubishi Heavy Industries)—— 防衛産業の恩恵を受ける

三菱重工は、「日本の工業化の化石」とも呼ばれ、1884年の三菱造船所に端を発する。明治維新期から日本の工業化に関わり、今や航空宇宙、エネルギー設備、産業機械などの分野を横断する総合巨頭となった。日本の製造業の最高水準を象徴している。

持続的な防衛需要の旺盛さが成長の主な推進力だ。2025-26年度の営業利益は4200億円(約29億ドル)に9.6%増加する見込みで、2024-25年度の実績(3832億円、前年比35.6%増)を堅実に基盤とする。航空宇宙・防衛事業の利益増は40%に達し、最大の成長エンジンとなる見込み。エネルギーシステム(タービンなどの発電設備)も17%の増益予想だ。

ウォール街の8人のアナリストによる12か月目標株価の平均は3,743.76円、最高は4,100円。現在の株価3,185円と比較して、上昇余地は17.54%に達する。長期的な展望には楽観的な見方が多い。

日本株おすすめ4:任天堂(Nintendo)—— ゲーム産業の周期的チャンス

任天堂は世界的に有名なゲーム企業だが、2024年度の業績は挑戦に直面した。売上は30.3%減の1兆1600億円、営業利益は46.6%減の2825億円、純利益は43.2%減の2788億円となった。

減少の主な原因は二つ。Switchの現行ハードがライフサイクルの終盤に入り、ユーザーの見極めが進む中、次世代機のSwitch 2の発表が消費意欲を抑制していることだ。地域別では、米州が44.2%、欧州と日本がそれぞれ24.5%、23.6%を占める。

短期的には業績は芳しくないが、推奨の論理は長期産業の潜在力にある。 TDクーウェンのアナリストDoug Creutzは、電子ゲーム産業は世界GDPを超える成長を続けており、プレイヤー数の拡大と収益化モデルの多様化(サブスクリプション、バーチャルアイテム、季節コンテンツの更新)により、メーカーは一人当たりの価値をより多く引き出せると指摘している。

ウォール街の11人のアナリストによる12か月目標株価の平均は14,035.27円、最高は20,780円で、市場は次世代ハードのサイクルに大きな期待を寄せている。

日本株おすすめ5:ソニーグループ(Sony Group)—— コンテンツエコシステムの勝者

ソニーの最新四半期純利益は前年同期比4.6%増の1977億円だったが、新年度の予想は13%の下落圧力に直面している。これは主に米国の関税政策の影響による。

しかし注目すべきは、ソニーの事業構造の最適化だ。音楽・映画コンテンツ部門が利益増の主力となっている。近年のコンテンツエコシステムへの投資は実を結びつつあり、ゲームスタジオのバンジー買収やアニメプラットフォームのCrunchyroll、角川グループとのIP展開協力など、リターンを生み出している。

ハードウェア事業は調整局面にあり、PS5の販売予想は1850万台から1500万台に下方修正された。これはゲーム機市場の縮小傾向を反映している。より大きな課題は関税で、1000億円の営業利益を侵食すると予測されており、ソニーはグローバルサプライチェーンの再構築を余儀なくされている。

しかし、ソニーの経営陣は、日本企業特有の「柔軟な経営」を示しており、ハードウェアの維持とともにコンテンツサービスの加速を図っている。地政学リスクにどう対抗していくかが今後の焦点だ。

ウォール街の9人のアナリストによる12か月目標株価の平均は4,389.49円、最高は4,910円。現在の株価3,607円と比較して、上昇余地は21.69%に達する

日本株おすすめ6:三菱商事(Mitsubishi Corp.)—— バフェットが増持する日本の商社

三菱商事は、日本の五大商社の一つであり、バフェット率いるバークシャー・ハサウェイが重点投資している日本企業だ。2025年6月、バークシャーは五大商社の持株比率を8.5%〜9.8%に引き上げた。バフェットは2019年7月からこれら商社への投資を始め、その資本運用効率や管理チームの質、株主志向を高く評価している。2月の株主宛て書簡では、日本側の同意を得て持株比率を9.9%以上に引き上げることも示唆している。

三菱商事の2025年度(3月期)の売上高は18.6兆円と前年同期比4.9%減だが、税引前利益は逆に2.3%増の1.4兆円に回復している。親会社株主に帰属する純利益は9507億円とわずかに1.4%減少したに過ぎず、日本の総合商社の経営の堅牢さを示している。

現状の株価はやや高めだが、調整局面で適正価格に近づくのを待つのが賢明だ。ただし、長期的にはバフェットの継続的な買い増しが後押しとなり、投資価値は明確だ。

日本株おすすめ7:日立(Hitachi)—— 製造業からソリューション企業への転換モデル

日立は111年の歴史を持ち、昔ながらのテレビやビデオ、Maxell電池を思い出す人も多いだろう。この日本の工業巨頭は、最近積極的な動きを見せており、米国のデジタルサービス企業GlobalLogicを96億ドルで買収し、ソフトウェアサービス企業への転換を進めている。CEOの東原敏昭は、「これは会社の大きな変革だ」と語る。

1910年に創立された日立は、買収を積極的に行うことで知られる。現在は、家電などの消費者向け電子からほぼ撤退し、成長が停滞していた電動工具や化学品などの事業も売却している。新戦略は明確で、軌道交通や自動車部品などの重工業を残し、工業デジタル化サービスに全力を注ぐことだ。製造業のデジタルトランスフォーメーションを支援し、顧客のデジタル化を促進している。

4月の関税政策の影響で一時的に大きく下落したが、その後素早く反発し、現在は20年ぶりの高値に近づいている。カリフォルニア大学のUlrike Schaede教授は、「日立の頻繁な資産再編は、保守的な日本企業にとって『日立ショック』をもたらす」と指摘し、電気機器メーカーからインフラのデータソリューション企業への変身は、企業の転換モデルとして注目されている。

日立の強みは、明確な転換戦略と実行力の高さにあり、ここ数年の株価動向は、市場がその変革を高く評価している証拠だ。

日本株の投資方法は何がある?

良い日本株の候補を見つけたら、次はどう投資するかを考える必要がある。主に三つの方法がある。

方法1:日本株指数に投資——最も確実性が高い

確実性を重視するなら、日経225指数への投資が最もシンプルだ。個別株の値上がり益も魅力的だが、指数投資は日本株全体の上昇に乗ることができ、リスクも比較的バランスが取れている。日経225は、日本の代表的な225銘柄を網羅し、主要な有名企業を含む。

今年上半期、指数は関税懸念の中で3万1136ポイントまで下落したが、その後、評価修復や資金流入、ファンダメンタルの改善により力強く反発した。反発が続くかは予測できないが、日本株は過度な慎重さから脱しつつあるため、資産配分に組み入れる価値はある。

差金決済取引(CFD)を利用すれば、指数の価格に直接投資でき、双方向取引やレバレッジ1〜200倍も選択可能。少額(最低50ドル)から始められ、新規登録者には追加のボーナスもある。

方法2:米国預託証券(ADR)を通じて——便利さ抜群

トヨタ、ソフトバンク、三井住友、任天堂などの有名な日本企業は、米国株式市場にADRを上場している。米国株口座さえあれば取引でき、直接日本株に投資するよりも便利だ。これらの米国版ADRは、日本株とほぼ連動して動いている。

方法3:台湾証券会社の委託売買——伝統的だが制約も多い

元大証券や富邦証券は委託売買サービスを提供しているが、操作は複雑で、買付数量の制限も多く、手数料も高め。具体的な手続きは証券会社に問い合わせる必要がある。

日本株の今後の展望

短期的には、日経平均の動きは貿易政策次第だ。関税の引き下げによる反発があっても、世界経済の減速や日本の輸出鈍化が上値を抑制し、日経平均は3万7000〜3万8000ポイントの間での値動きが予想される。外資の流入は評価益のための調整的な動きが多く、資金の持続性は不透明だ。

長期的には2026年に向けて、日本銀行の金融政策の転換が重要なポイントとなる。もし日銀が利上げを再開すれば、金融株の評価は回復し、円の正常化も企業の収益性改善につながる。肝心なのは、利上げのペースが世界経済の動きと整合性を持つかどうかだ。

日経平均を再び40000ポイント超え、さらなる高値を目指すには、複数の好材料が同時に進行する必要がある。企業ガバナンス改革によるROEの持続的向上、新興産業の競争力の形成、米日経貿関係の実質的改善などだ。これらの条件はまだ整っていないが、長期的なチャンスは引き続き注目に値する。

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