ADAの弱気が深まる、ファンディングフィーのマイナス転換とチェーン上指標の伴う下落

市場心理の悪化、ADA 0.50ドルライン防衛の難題

カルダノ(ADA)が継続的な弱気を脱しきれない状態が続いている。最新のデータによると、ADA現物価格は0.36ドルまで下落し、先週比でかなりの下落幅となっている。単なる技術的調整を超え、市場参加者の心理的縮小が価格下落を後押しする形で進行中だ。

さらに懸念されるのは、市場の弱気心理がデリバティブとオンチェーン指標の両方に反映されている点だ。特にファンディングレートの構造がマイナスに転じ、ショートポジション保有者がロングポジション保有者に手数料を支払いながら下落ベットを維持しようとする様子は、ADAに対する市場の弱い信頼を露骨に示している。

チェーン上の活動縮小、エコシステム需要の縮小兆候

オンチェーン指標も否定的な方向に動いている。カルダノエコシステムのTVL(総預託資産)が2億4千万ドルのラインに縮小し、8月中旬以降続いていた緩やかな下降トレンドが加速している様子だ。これは、カルダノベースのプロトコルに参加するユーザー活動が顕著に減少していることを意味している。

ネットワーク参加度の低下は基本的なエコシステム需要の減少に直結する。ADAを基盤としたDeFiプロトコルの利用が減ると、トークン自体のユーティリティ需要もともに低下する悪循環が形成される。

さらに、OI加重ファンディングレートが-0.057%まで低下しており、ショートポジションの優位性が明確になっている。この組み合わせは、「反発時の高値での売り」と「下降トレンドの継続」という市場の合意を生み出している。

技術的形態、主要サポートラインのテスト局面

チャートの観点から、ADAは幾つかの難題に直面している。火曜日に0.61ドルの50%リトレースメントレベルで抵抗に遭い、その後4日間にわたり二桁の下落を記録している。現在、市場が注目しているのは0.49ドルのデイリーサポートラインの防衛可否だ。

もし0.49ドル以下でデイリー終値が出る場合、心理的サポートラインである0.50ドルの崩壊が確認されると解釈される可能性が高い。この場合、トレンドの下落がさらに加速する懸念が高まる。

モメンタム指標も弱気シナリオを裏付けている。RSIは35付近にとどまり、中央線50を大きく下回っており、MACDのヒストグラム棒も徐々に縮小している。これはデッドクロス形成の可能性を示唆するシグナルであり、上昇エネルギーよりも下落圧力が強い状態を示している。

反発シナリオは存在するが限定的

もちろん、否定的な見通しだけが全てではない。ADAが買い勢を回復し、0.55ドル以上を奪還し、追加の需要が流入する形で反転すれば、0.61ドルの抵抗ラインへの再挑戦も可能だ。

しかし、現状のファンディングレート、TVL、モメンタム指標がすべて弱気方向に整列している状況では、反発があったとしても0.61ドル付近でかなりの売り圧力が待ち構えている可能性を念頭に置く必要がある。根本的なエコシステム指標の改善なしには、技術的な反発も限定的となる見方だ。