なぜ米国株は安くて台湾株は高いのか？1枚の株数を理解すればすぐにわかる

株式市場では、多くの投資家が同じ上場企業の株式を異なる市場で取引する際に、取引コストの差が大きいことに気づきます。米国株は取引のハードルが低く、一株ずつ購入可能ですが、台湾株や香港株は一度に多くの株数を購入する必要があり、初期資金の要求が高くなります。これらの根本的な理由は、各国の株式市場における取引単位の規定の違いにあります。

世界の株式取引単位の違い

各国の株式市場にはそれぞれの取引慣行があります。米国株は「一株」を取引単位とし、投資家は任意の株数を柔軟に売買できます。一方、台湾株は「一張」、香港株は「一手」と呼ばれ、規模が異なります。

一張は何株？ 台湾株の一張は1000株に相当し、台湾の株式市場で一度の取引を行うには最低1000株を購入しなければなりません。香港株の一手は株価に応じて調整され、一般的には100株、500株、1000株、2000株などがあります。これに対し、米国株の投資家は取引ごとに自由に株数を決めることができます。

株価と取引単位の関係

なぜ同じ企業の株式が異なる市場で異なる取引コストになるのか理解するには、まず株価は一株あたりの取引価格であり、投資家が一株を取得するために支払う必要のある資金の額を示すことを明確にする必要があります。株価は買い手と売り手のリアルタイムのマッチングによって決まり、市場の変動に伴って変動します。

例えば、米国株のテスラ（TSLA.US）は2023年1月6日時点で101.81ドルでしたが、8月2日には254.11ドルに上昇しました。これは、同じテスラ株を買うのに、短期間でコストが101.81ドルから254.11ドルに増加したことを意味します。

また、各国で通貨も異なります。米国株は米ドル（USD）で表示され、台湾株は新台湾ドル（NTD）、香港株は香港ドル（HKD）で表示されます。

一張の実際のコスト計算

取引単位を理解したら、取引コストの計算は直感的になります。

台湾株の例： 台積電（2330.TW）の株価が1080新台湾ドルの場合、一張を購入するには1080×1000＝1,080,000新台湾ドルが必要です。同じ企業の株式を一度に取引するには、百万を超える資金が必要です。

香港株の例： 騰訊（0700.HK）の株価が418香港ドルの場合、一手は100株なので、購入には418×100＝41,800香港ドルが必要です。

米国株の例： テスラの現在の価格は420ドルで、一株だけ購入すれば良く、投資家は非常に柔軟に取引できます。

このように、同じ企業の株式でも、米国株市場での単一取引のコストは、台湾株や香港株よりもはるかに低いことがわかります。

株式の額面と株価の違い

多くの投資家は、株式の額面と株価の概念を混同しがちです。額面は、会社設立時に定められた一株あたりの価値であり、元々の株主の出資額を記録するためのものです。例えば、台湾の多くの上場企業の株式の額面は10元ですが、これは実際の株価とは全く関係ありません。

株価は市場によって完全に決定され、企業の収益力や投資家の期待によって変動します。投資家が企業の将来性を好む限り、株価は継続的に上昇します。したがって、投資家は現在の市場価格だけに注目すればよく、額面は歴史的な記録に過ぎません。

投資のハードルへの実際の影響

投資のハードルの観点から見ると、米国株は取引単位が1株のため、初期投資金額が少なくて済み、資金が限られる投資家にとってより優しいです。一方、台湾株や香港株は最小取引単位が大きいため（台湾株は一張＝1000株）、取引ごとに多くの資金を投入する必要があり、これが多くの人が台湾株を「高価」と感じる理由です。

資金が限られる投資家にとっては、各市場の取引単位の仕組みを理解し、より合理的な投資計画を立てることが重要です。自分の資金規模に合った市場を選び、取引を行うことで、より柔軟に投資ポートフォリオを管理できるようになります。