金は利益確定の圧力下で調整中、米国のインフレデータが今夜の鍵となる

金(XAU/USD)は木曜日のアジア市場で揺れ動き、4350ドルの節目を下回った。この下落は主に二つの力の連携した圧力によるものである。一つは最近の利益確定売りの増加、もう一つはドルの反発による抵抗である。ただし、市場はFRBの政策転換や地政学的緊張に対する懸念を抱いており、これが一定程度貴金属の下値支持となっている。

テクニカル面は強気の構造を維持、上昇チャネルは完全

4時間足を見ると、金は短期的に圧力を受けているものの、全体的な技術構造は依然として良好である。貴金属の価格は100日指数移動平均線の上に安定しており、中期的な上昇トレンドは依然として有効である。ボリンジャーバンドは拡大状態にあり、RSI(14)は中線より上に位置し、買い勢力の勢いはまだ残っていることを示している。

最小抵抗の方向は上方に向かっている。反発の確認シグナルが出て、価格がボリンジャーバンドの上限4352ドルを上回って安定すれば、金は再び4381ドルの最近の高値に挑戦し、4400ドルの整数関門を狙う展開が想定される。一方、売り圧力が持続する場合は、下値のサポートとして12月17日の安値4300ドルや、100日移動平均線付近の4233ドルが注目される。

ファンダメンタルズの激しい衝突

FRBの姿勢には微妙な分裂が見られる。理事のクリストファー・ウォラーは水曜日にさらなる緩和政策を支持し、中立金利への回帰を主張した。一方、アトランタ連銀総裁のラファエル・ボスティックは慎重な姿勢を示し、インフレが明らかに鈍化しない限り、来年の利下げ余地はないと考えている。

雇用統計では、11月の非農業部門雇用者数はわずか6.4万人の増加にとどまり、10月の減少(10.5万人)から改善したものの、市場予想を大きく下回った。失業率は4.4%から4.6%に上昇した。連邦基金金利先物の価格は、市場が来月の利下げ確率を22%から31%に上昇させていることを示している。

低金利環境は、無利子資産である金の保有コストを低減させ、金価格にとってプラスの支援となる。同時に、ベネズエラ政府が油運搬船に海軍護送を行い、米国の封鎖に対抗していることや、地政学的緊張の高まりも、リスク回避の動きとともに金のような伝統的な安全資産への資金流入を促進している。

今夜の米国CPIが決定的な指標

投資家の注目は、間もなく発表される米国11月CPIインフレデータに集まっている。市場は前年比3.1%、コアCPIは3.0%の伸びを予想している。また、木曜日の夜には米国の初回失業保険申請件数も発表される。

インフレデータが予想を上回る場合、利下げ期待がさらに後退し、ドル高・金売り圧力が強まる可能性がある。逆に、予想を下回る場合は緩和期待が高まり、金価格の再上昇を促すだろう。インフレレポートは、今日の金の今後の方向性を決める最も重要なカタリストである。

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