イーサリアム財庫大手BitMineが1.5億ドル相当のETHを再購入、トム・リー氏：「ETHは9,000ドルへの挑戦が期待できる」

イーサリアム財庫大手のBitMineが再び大量にETHを買い増し、市場の注目を集めています。オンチェーン分析プラットフォームArkhamのデータによると、BitMineは水曜日にBitGoを通じて18,345ETH、さらにあるCEXを通じて30,278ETHを購入し、総額は約1.5億ドルに上ります。取引はまだ公式に確認されていませんが、オンチェーンの証拠から資金の流れはほぼ確定しています。

今年に入り、BitMineは堅調な買い姿勢を維持しており、11月の市場低迷期でも明確な減少は見られませんでした。11月最終週だけでも同社は96,798ETHを追加取得し、保有量はイーサリアム流通供給量の3%以上となっています。同社はこれまでにも保有目標をETHの5%と公言し、イーサリアムが将来の金融インフラの中核を担うと繰り返し強調してきました。

BitMineの継続的な買い圧力とは対照的に、機関投資家によるETH買収需要は全体として弱まっています。Bitwiseの最新データによれば、デジタル資産ファンド（DAT）は11月に約37万ETHしか購入しておらず、8月のピーク時の197万ETHと比べて81%も大幅に減少しています。この傾向は、一部の機関が再配分フェーズにあり、短期的なETHの組織的な買い増し意欲が低下していることを示しています。

それにもかかわらず、Fundstrat共同創業者でBitMineを率いるTom Lee氏は強気な見方を維持しています。彼は、イーサリアムが今週リリースされたFusakaアップグレードを含む複数の好材料を迎えていると指摘。さらに、米連邦準備制度理事会（FRB）が量的引き締め政策を段階的に終了させていることも、ETH需要回復の重要な要因とされています。

Lee氏はインタビューで、ETH価格が2026年1月までに7,000～9,000ドルのレンジまで上昇すると予測しました。現在のETH価格は3,215ドルで、過去24時間で5.7%上昇し、市場心理の段階的な改善が見られます。

BitMine関連株も好影響を受けており、水曜日の終値は5.48%高の33.66ドルとなりました。ただし、より長い期間で見ると、株価は過去1ヶ月で21%超下落しており、機関投資家セクター全体の圧力を反映しています。

この大規模な買い増しは、大手財庫がETHの長期的価値を強く信じていることを示している一方、機関投資家全体の需要冷え込みは短期的な変数となっています。今後数週間のETH市場の動向は、機関投資家間の意見の相違が拡大するのか縮小するのかを見極める重要なサインとなるでしょう。（The Block）